猫から移る感染症が気になる
猫から移る感染症
飼い主がどんなに健康であっても、
一緒に家族として暮らしていくには
猫からうつる感染症の知識も必要ですよね。
猫から感染する病気
猫を介して人に伝染する病気は何がある?
ここでは一例をあげてみます。
回虫症
猫や犬の腸内で生活する回虫という寄生虫がいます。
猫であれば回虫に寄生されても、大きな症状が出ることはあまりないのですが、人間の場合は違います。
回虫に寄生されることで肝不全を発症したり、失明してしまうこともあるのです。
回虫を持っている猫のウンチには、回虫の卵が混じっていることがあり、
この卵を食べてしまうと人間にも感染してしまいます。
そのため、赤ちゃんが誤って猫のウンチを食べてしまったり、
ウンチに触れた手を洗わないまま口に入れてしまったりしないように注意しなければなりません。
人間と猫が接触する前に、猫が回虫に感染していないかを検査しておくと安心です。
検便によって回虫の検査ができるのですが、便検査の精度はそれほど高いものではないので、感染を否定するためには3回ほど検便を繰り返す必要があります。
回虫症の対処法は?
ちなみに、もし愛猫に回虫が寄生していたとしても、駆虫薬を使うことで比較的簡単に駆虫できます。
ノミ
猫から人にうつる代表的な寄生虫の一つにノミがいます。
ノミにさされると非常に強い痒みを引き起こすので、きちんとノミ予防はしておいたほうがいいです。
ご存知ですか?
ノミは自然に発生することはありません。
猫が野外で過ごすうちにノミが寄生してしまうので、完全室内飼育を徹底したほうが安全です。
予防薬やノミの駆虫剤があるので、定期的に駆除してあげてください。
猫引っかき病
飼い猫が「もっと遊んで~」とせがみ、飛びかかってくることがあります。
そして、何気なく引っかかれるのです。
この病気は病名の通り、猫に引っかかれたり噛まれることで発症する病気です。
この病気の病原体はBartonella henselae(バルトネラヘンセラ)と呼ばれる細菌。
この細菌は猫にとって無害なのですが、ノミを介して猫の間に広まってゆきます。
そしてこのバルトネラヘンセラは猫の爪や歯に付着するため、バルトネラヘンセラを持っている猫に噛まれたり引っかかれたりすると、人間の体内に侵入を許してしまうのです。
この病気に感染すると引っ掻かれた部分が赤く腫れ上がり強い痛みを感じます。
重症化すると発熱し、引っかかれた部位の近くのリンパ節が腫れてしまいます。
この病原体は外出しない猫には少ないとされていますが、まったくゼロというわけではありません。
猫と遊んでいるうちに引っかかれないように注意して下さい。
トキソプラズマ症
トキソプラズマは猫のウンチを介して人間に感染すると言われているので、糞便を素手で触らないようにして下さい。
トイレ掃除の際は、念のためにビニール手袋などをするとよいいでしょう。
また、トイレ掃除の後は必ず手を洗いましょう。
ただ、トキソプラズマに感染する代表的な原因は、豚肉と土です。
人間がトキソプラズマに感染する原因は、猫のウンチよりも豚の生肉や土からの感染の方が遥かに多いと言われているので、こちらも注意が必要です。豚肉を食べるときは十分に加熱し、ガーデニングなどで土いじりをした際は、必ず手を洗いましょう。
トキソプラズマ原虫は世界中のネコのいる地域に存在します。
この寄生虫は人間だけでなく多くの種類の動物に感染します。
米国では多くの人が感染していますが、症状が出る人はほとんどいません。
重度の感染症は通常、胎児かエイズやがん、臓器移植後の拒絶反応を抑える薬(免疫抑制薬)によって免疫系の機能が低下している人にのみ起こります。
知っていますか?
トキソプラズマ原虫はネコの腸でのみ産卵します。
トキソプラズマ症の予防
妊婦はネコとの接触を避けるべきです。
接触が避けられない場合は、せめてネコのトイレ掃除をしないか、手袋を着用して掃除するようにします。
肉類は74~77℃以上の温度で十分に加熱調理し、生の肉、土、ネコのトイレを触った後は十分に手を洗います。
-13℃以下の冷凍でも、寄生虫を死滅させることができます。
感染していても、症状がなくて免疫系の機能が正常であれば、ほとんどの場合治療は不要です。
猫を恐れすぎないように
トキソプラズマはもともととても弱い寄生虫です。
一度でも感染していれば抗体ができ、2度目の感染はないと言われています。
つまり、妊婦さんが過去一度でもトキソプラズマに感染していれば、すでにトキソプラズマ抗体があるため、猫と接しても感染する危険性はありません。
すでにトキソプラズマの抗体を持っているかどうかは、産婦人科などで検査してもらうこともできます。
また、全ての猫がトキソプラズマを持っているわけではありません。
猫も人間同様に、一度でも感染していれば抗体ができているので、トキソプラズマを体外に排出し続けることはありません。
また、土やネズミなどの生肉と接触する機会のない完全室内飼いの猫であれば、トキソプラズマに感染することはあまりないでしょう。
あとがき
保護猫を引き取って初日の夜、猫のウンチから回虫の死骸が出ていました。
当初はビックリしましたが、間一髪!猫を引き取るときの獣医師による駆虫薬のおかげで難を逃れました。
それからは、元気いっぱいのわんぱく猫で、今度はひっかき病を気にしていますが、この程度の悩みなので自分は幸せ者だと感謝しています。
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